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い組とろ組(竹くく)

※三年生くらい(面識なし)




「八左ヱ門、誕生日プレゼントだ」
「はぁ?!」

部屋に戻ると異様な光景がくり広げられていた。
三郎と雷蔵の間にいる…そう、一人の少年。
一寸も纏わぬ姿なのはおろか、手足はそれぞれ一つに縛られていて、目隠しと口枷をされている。
全く読めない状況に、竹谷は声を張り上げた。

「なんだよこれ!」
「い組の久々知兵助。知らないか?」
「そうじゃなくて!この状況なんだよッ!」
「三年生にもなってまだ童貞な竹谷に私と雷蔵からプレゼントだ」
「うちの学年で一番見目のいい子連れてきたから」

ほら、というように口を塞いでいた布をぱさりと取り払う。
自由になった口に、兵助は堰をきったように怒鳴り散らした。

「ふざけるなっ離せ!ろ組のくせにッ」
「ふーん…まだそんな口の聞き方するんだ?」
「ひッ…!!」

雷蔵の指が兵助の性器をなぞると、兵助がびくんと顔を強張らせて過剰に身体を竦ませる。

(おいおい何したんだよ…)

級友達のお節介に頭が重くなりながら、竹谷は萎縮している兵助を困まり顔で見た。
全裸にひん剥かれて双忍に抑えられているさまは、罠に引っ掛かった小動物のようで、助けてやらなければいけない気がした。

「…とにかくこいつ返して来いよ。怖がってるじゃんか」
「そんなこと言っていいのか?」
「ひぅっ!やっ…あっぁ…」

勿体ない、とでも言うように三郎が二本の指を兵助の後孔に突き入れる。
既に湿っているそこは、ぐちゅぐちゅと音を響かせて竹谷の性欲を掻き立てた。

「すげぇ吸い付いてくるな」
「…っ…」

三郎の指をしっかりと飲みこんで離さない秘部に、竹谷はごくりと喉を唸らす。

「おい、八左ヱ門。身体は正直だぞ」

膨らんできた下肢を指摘されて、竹谷は慌てて前を押さえた。
男のサガとは虚しいもので、いかに誠実な態度で毅然としていても、身体は目の前のいやらしい肢体に即物的に反応した。

「だ、だからってこんなの…合意じゃねぇし…」
「そんなことないよ。久々知は気持ち良いこと好きだもんね。ねぇ?」
「…ッ…」

雷蔵の長い指がゆっくりと兵助の顔の輪郭をなぞる。

「さっきは達かせてくださいって散々おねだりしてきたよね。本当は淫乱なんでしょ」
「違うッ」
「ここも早く突っ込まれたくて堪んないんじゃねぇの」
「やぁっ、あっ…ぁッ…」

三郎に少し肉壁を掻きまわされただけで兵助が甘い嬌声をあげる。
竹谷は今まで聞いたこともない艶めかしい声にどうして良いか分からず、顔を赤くしながら、なんとなく兵助を直視できなくて挙動不審に視線を泳がせた。



「じゃぁあとは若い者達でごゆっくり」
「明日話聞かせろな」

竹谷を充分に煽ると、三郎と雷蔵は満足げに、二人を残して部屋を後にした。







「……」
「……」
「あの…い組の久々知だっけ?」
「……」
「…参ったな…」

突然のことすぎて今一つ頭が追いつかない。
とりあえず兵助に声をかけてみたものの、返事がかえってくることはなく、竹谷は頭を掻きながら兵助の目隠しをぱさりと外した。

(うわぁ…)

女の子のような長い睫毛に竹谷はどきりとした。
開かれた大きな双眸には透明な涙が浮かんでいて、竹谷を目に留めるときッと睨み付けた。

(美人だなぁ)

すごまれても端麗な顔立ちに、思わず竹谷は感嘆の吐息を漏らす。


(でもやっぱり無理矢理はよくないよな)

据え膳食わぬは…という言葉が浮かんできたが、強姦まがいのことは自分の信条に反する。
竹谷は兵助を解放しようと縛られている縄に手をかけた。




バタン!!


「ちょっと!!うちの兵助に何やってるの!」
「え…」
「兵助…ッ!」

竹谷が結び目を解こうとしたとき、物凄い勢いで襖が開かれる。
突然部屋に飛び込んできた人物は、あまりの壮絶とする兵助の格好に丸い目をさらに丸くした。

「こんな…酷いッ」
「勘ちゃん…っ」

勘右衛門は兵助に駆け寄ると、唖然としている竹谷を突き飛ばし兵助を抱きとめる。
全裸で縛られている兵助の縄をほどくと、着ていた装束をかけてやった。


「どこに連れ去られたのかと思えば…」


授業後、双忍に兵助が拉致られてから、勘右衛門はずっと兵助を探しまわっていた。
やっと見つけた兵助のあられもない姿に、当然怒りの矛先は竹谷へと向いた。

「…お前誰だよ」
「ろ、ろ組の竹谷八左ヱ門です…」
「覚悟はできてんだろうな」
「え?いや、その、おれは…」

鬼のような形相で勘右衛門に迫られて、竹谷はしどろもどろになりながらたじった。

「そんなに欲求不満ならおれがやってやる」
「ちょ、待てって!誤解だ!」
「兵助こんな格好にしておいてまだ言い逃れすんのかよ」
「だからおれがやったわけじゃな…」
「ガタガタうるせぇよ。さっさとケツ出せよ」
「待てって!まじやめ…っ、やめろよおおお!!」






「ついに八左ヱ門も大人の仲間入りか」
「感慨深いねぇ」

まさかバックバージンを先になくしているとは露も思わず、雷蔵と三郎はのんびりと閑談しながら友人の成長を嬉しんだ。



了※双忍が退出しません




「おい、優等生。挿れてくださいってはちにおねだりしろよ」
「…っ言うわけないだろ!」
「また踏まれたいの?」
「ッ!……れて…くだ…さ…い…」
「聞こえないよ」
「はちのちんこを、って付けるのも忘れんなよ」
「久々知のアナルにっていうのもね」
「っく…ろ組ッ!人のこと馬鹿にすんのも大概にしろよな!」
「…おい。こいつ相当学習能力ねぇな」
「あああッ!!痛いッやだッ、痛いよぉっ!!ひぅっ!い…う、言うからぁッ!!!」
「始めからそうしなよ」
「ぁっ…ぁ……、………れ…の…アナ…ルに…」

竹谷は急激な展開についていけず呆然としていた。
しかし目は、顔を真っ赤に染め上げた兵助が恥ずかしい言葉を紡ぐのに釘付けであり、これからの展開を期待して激しく鼓動が昂ぶった。

「…は、…はち…の……お…ち…ん…ちん…っ、挿れ…て…くださ…ぃ…ッ」

最後の方は消え入るようなか細い声で強いられた卑猥な言葉を述べる。
居たたまれないようで、兵助は睫毛を震わせて顔を伏せた。

「ほら、八左ヱ門。ここまでお願いされちゃ挿れてやるしかねぇだろ」

三郎は兵助の足を胸に付くほどに折り曲げて、てらてらと濡れて光っている秘部を竹谷の目の前に晒す。
挿れやすいように雷蔵が双丘をくいっと広げた。
熟れた紅い襞がひくひくと動くのが見えて、竹谷は熱が急速に一ヶ所に集まるのを感じた。

「あ…」

淫猥な秘孔に誘われるように、竹谷は袴から昂ぶった自身を取り出し、兵助に近づく。

「ひぅッ…!やっ…あ…あ…ッ」

自身に手を添えてゆっくりと兵助の中に沈めていく。
まだ先端を埋めただけなのに暖かい肉壁がぎゅっと絡みついてきて、初めて感じる鋭い快感にそれだけで達しそうになって竹谷はぐっとこらえた。

「…っ…」
「っう…や…っ…抜い…て…」

噎せ上がる圧迫感に兵助が内腿を震わす。
弱々しく吐息混じりに懇願してくる兵助をもっと無茶苦茶に辱めたくなって、竹谷は控え目に進めていた腰をぐっと突き入れた。

「やああッ!!あっ、ああッ!!」

肉塊が一気に奥まで挿ってきて、兵助は長い髪を振り乱しながら痛烈な熱さに身体を仰け反らす。
竹谷は逃れようとする兵助の腰をがっちりと掴むと、より最奥を求めてぐりぐりと兵助の内部を抉った。

「ひゃぁっ!!や…め…っ、お…なか…苦…し…ッ、やっ…ああっ…ッ!!」
「…っ…気持ち…良す…ぎだ…ろ…ッ」

痛いほどにみっちりと締め付けてくる後孔に、竹谷は自然と早まる注挿を抑えきれなかった。


「三郎、もう手離してもいいんじゃない」
「そうだな」

欲求のままに激しく腰を動かし始めた竹谷に、兵助から三郎と雷蔵がそっと離れる。


「童貞スパークって感じだな」
「はち気持ち良さそうで良かったよ」

まるで息子の成長を愛でるような眼差しで、嬉々と二人は竹谷を眺めた。










―後日

「おい、鉢屋」
「……」

名を呼ばれて振り替えると、一学年上の先輩が佇んでいた。
三郎はなんとなく苦手なこの人に関わりたくなくて、にこりと笑みを浮かべた。

「僕は不破ですが、三郎にご用ですか?」
「鉢屋だろう」
「三郎なら木下先生に呼ばれて職員室にいますが…」
「…ふん。まぁどちらでも良い」

仙蔵はあくまで雷蔵とシラをきる三郎を鼻で笑うと、話を切り出した。

「こないだはうちの久々知がお世話になったようだな」
「…情報が早いですね」
「素早い伝達は忍びの最も初歩的な事項だからな」
「…で、そのことがいかがされましたか?」
「い組がなめられっぱなしでは適わないと思ってな」

そういって目を細めた仙蔵に、三郎は悪寒がぞくりと背筋を伝うのが分かった。

(―まずい)

本能的に危険を察知し、三郎はすっと身を翻す。
そのまま床を蹴りあげると、その場を猛烈なスピードで立ち去った。


「逃げられると思うなよ」

言うが否や、長い黒髪の残像を残して仙蔵が姿を消した。








「はぁっ、はぁっ…」

三郎は後ろを顧みることもなく、裏庭まで一目散に駆け抜けた。
小さい茂みの中へ身を潜めると、顔を変えなければ…、そう思い手を額にやった。


「鬼ごっこはそこまでか」
「…ッ!」

後ろから声をかけられてぞっとする。
恐る恐る振り返ればまったく息の乱れのない仙蔵が立っていた。

「…くっ…」

逃れる術のない三郎は地面に叩きつけられる。
仙蔵はぎゅっと三郎の中心を掴むと愉快そうに告げた。

「鉢屋、随分と可愛らしいものだな」
「余計なお世話ですッ」
「おや、お前は不破ではなかったのか」
「~ッ!」

揚げ足をとる仙蔵に、三郎は悔しくて睨み返す。





「おい、いるんだろう?」

仙蔵が近くの木に向かって声をかけると、シュッと一つの影が地へと降り立った。


気配にまったく気がつかなかった―。

もう一人のい組の上級生が見下ろしてくる。


「…っ潮江先輩!」
「俺はこいつがいけ好かねぇんだが…」
「…あんたに好かれても嬉しくないですが」
「口の減らないやつだな」

仙蔵以上に苦手な先輩が姿を現して、三郎は怪訝な顔をさらに歪めた。

「こいつはお前に任せる。私は本物の不破を犯しに行くかな」
「っ雷蔵…!!」
「お前はおれが相手してやる」
「うぐッ!!んんっ…んッ!!」

仙蔵を止めようと起き上がろうとした三郎だったが、文次郎の性器を口に突っ込まれて、再び地に頭を打ち付けた。
深く咥えさせられて、喉奥にあたる性器に三郎は吐き気で噎せ返そうになる。

「どうした鉢屋。口ほどにもねぇな」
「っ…んんッ…んう…んっんッ!」
「もっと舌を使え」

こっちの息苦しさもお構いなしに、文次郎が髪を鷲掴みにして揺さぶってくる。
横柄な行為に三郎が鋭い眼差しを文次郎に向けると、にやりとした笑みを返された。


「い組に手ぇ出したこと後悔させてやるからな」




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