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お豆腐の段(竹くく)


「豆腐豆腐うっせーよ!!」


久々の休日、竹谷と兵助は街へ繰り出していた。

兵助の豆腐好きは今に始まったことではない。
デートでは大抵豆腐屋をまわり、兵助のよく分からない豆腐研究に付き合う。
それもデートの一貫となっており、竹谷も今まで気にしたことがなかった。

しかし最近ではテストやら長期実習やらで忙しくて、なかなか街に行けていない。
今日の兵助はその分を埋めるように、ひたすら豆腐尽くしの一日だった。
二人で何処か出かけるのも当然久々である。
只でさえクラスの違う兵助とは、一緒にいる時間が少ないというのに、豆腐ばかりかまけられる。
普段は温厚な竹谷も、今回ばかりは鬱憤が溜まっていた。

「…なんだよそれ。そんなに怒ることないだろ」
「おれだって許容の限度ってもんがあるんだよ」

街に出かけたものの、兵助は豆腐にしか目がいっていないようで、竹谷の存在は空気と化していた。
現に忍術学園に戻ってきたいま、初めて兵助と会話をした。
帰り道も上機嫌な兵助に、延々と聞きたくもない豆腐のうんちくを聞かされ、竹谷はうんざりしながら相槌を打っていた。
なんとか道中付き合っていた竹谷だったが、兵助に「ちゃんと人の話聞いてるか?」と愚々られて、我慢は限界だった。


「大体、いつも豆腐豆腐ってうるさいんだよ!そんなに豆腐の何がいいんだよ」
「むっ、人の好きずきは勝手だろ?!」
「それを人に押しつけんなって言ってんだよ。やたら最近豆腐メニュー多いしよッ」
「美味しいんだから別にいいだろ」
「だからってお前と違って毎食はとりたくねぇんだよ。そんなに食べたきゃ自分で買ってきたの毎日食ってろよ!」
「だったらおれが食堂のおばちゃんに頼んでるときに言えよ。後から文句言うなよな」
「我慢してやってんだろ?!そのくらい気付けよ!」
「…そうやって合わせてやってる振りして、恩着せがましく言うなよな」
「あ?」
「別に合わせて欲しいなんて一言も言ってないだろ。竹谷はおれに合わせてる自分に満足してるんじゃないのか」






「ッ離せよ…っ!!」

頭に血が上った竹谷は兵助を突き飛ばすと、その場に兵助を押し倒す。
暴れる兵助を押さえ込んで橙色の着物を強引に剥いだ。

「この豆腐野郎ッ、頭きた!」
「こんなところでやめろッ」

竹谷は買ってきたざる豆腐を掴むと、ひん剥いた兵助の身体にびしゃっと投げつける。
柔らかい豆腐が兵助の身体の上でぶちまけられた。

「っ冷た…ッ!竹谷なにするんだよ!!食べ物を粗末にするな!!」

「うるせぇ!!!」

せっかく買ってきた豆腐を台無しにされただけでなく、自分の身体にかけられて、いつもはあまり感情の起伏が激しくない兵助もかっとなる。
しかし竹谷も今日ばかりは腹の虫が収まりそうになかった。
兵助に劣らぬ迫力で、兵助を一蹴する。

「兵助の大好きな豆腐だろ!味わえよッ」
「んっっ…ッ、やめろよ!!竹谷なに考えて…」
「豆腐が食いたかったんだろ?!」

崩れた豆腐の固まりに、竹谷は熱く勃った自身を突っ込むと、そのまま兵助の口元に押し込んだ。

「んぐぅッ!!んっ…んんッ…!」
「どうした?しっかり味わえよ」

竹谷の勢いの良さに、柔らかい豆腐が兵助の口からボロボロと零れて、兵助の口の周りを汚す。
喉奥に竹谷の性器があたって、苦しさに兵助はくぐもった声を唸らした。

「んぐっ、んッ、んぅッ…!!」
「ちゃんと舐めて綺麗にしろ。お前の大好きなお豆腐様なんだからな」
「ひぐ…っ、んんっ、ん…ッ!」

目の端から生理的な涙が滲んできた兵助に、竹谷の嗜虐心は更にそそられた。
竹谷は兵助の前髪を掴んでより引き寄せると、兵助の綺麗な顔に股間を擦りつける。

「なぁ、兵助押さえつけるのなんてこんなに簡単に出来るんだ。あまり調子に乗るなよ」
「んぐぅッ、んんっ!!んぅ…ッんっ!!」

竹谷の言い方にかちんときた兵助は反発しようとしたが、口の中で罵声は吸い取られた。
顔面に竹谷の陰毛が当たって、むず痒さと嫌悪感に兵助はひどく顔を歪める。
竹谷は兵助の頭を押さえながら、手を伸ばして兵助の性器を握り締めた。

「こんなんですぐ勃起してんなよ」
「んぅッ!!やぁっ、あぁッあっ…!」

上を向いた兵助を大きな掌全体で扱きあげる。
ぐっちゃっと兵助の身体にまみれた豆腐を竹谷は一握りして、兵助の性器に一緒に絡めた。

「ひぅッ、つめ…たいっ、やぁぁっ、あっ…あぁッ…!」
「良かったな兵助、お豆腐と一緒にセックスできて。どうだ?自慰に使えそうか?お前の研究レポートに書き加えておけよ」
「あぅっ、あっあ…ッ、やぁっ…やめて…ッ」

なんとも形容しがたい感触が兵助を襲う。
何よりもこんなもので弄られても感じてしまう背徳感が、兵助をいっそう燃えあがらせていた。

「いつも以上に濡れてきてんじゃねぇの」
「あっ…はぁっ、あぁっんっ…んぅ…ッ」
「さっきの勢いはどうしたんだよ。誰が恩着せがましいって?もっかい言ってみろ」
「ひゃぅッ、やぁっあっ、ああッ…!」

ぐにっと竹谷に先端を握り込まれて、ぴくぴくと兵助の身体が波打つ。
竹谷の性器はとっくに兵助の口からこぼれていたが、竹谷はそれでも構わないようだった。
兵助の唾液で濡れた性器を、兵助の頬や睫毛にぺちぺちと押しあてる。
恋人にすることとは思えない仕打ちに、兵助は怒りよりも哀しみが強くなってきた。


「はぁっ…はっ…、たけ…や…ッ、も…やめ…てッ…」
「駄目だ」
「…みん…なッ、見て…る…ッ」

廊下であれだけ騒いでいれば人が集まらない筈はなかった。
同級生だけでなく、上級生や下級生も何事かと駆け付けてくる。

「竹谷先輩の雰囲気がいつもと違う…なんか怖い…ッ」
「久々知先輩…」
「あいつら豆腐まみれで何やってるんだ?」

興味をもつ者、呆れた眼差しを向ける者、怯える者、皆揚々に竹谷と兵助をじっと見る。
竹谷はほとんど服を着崩していないからいいが、兵助はほぼ全裸の状態である。
この上ない羞恥に耐えられなくて、兵助はついに泣きまじりに懇願した。

「やだぁっ…!はち…ッ、はっ…ちゃ…っ!やめて…っ、ひっく…お願っ…お願いだから…ッ!!」

大勢の忍たまが見ているというのに、竹谷はまったく周りを気にする余裕がないようだった。

「いいから尻だせよ」

竹谷の怒りが今までにないものだと兵助は気付いたが、ときは既に遅い。
竹谷は兵助の身体を裏返すと、慣らす変わりに先走りを兵助の秘孔になすりつけた。

「いや…ッ、やだっ…、ごめんなさいッ、ごめっ…、はっちゃん…っ、もう言わないからぁっっ…!!」

入り口に感じる竹谷の熱さに、兵助は蒼ざめた顔で謝罪の言葉を口にする。

「やぁっっ、はっちゃ…ッ、ひぅ―ッ!!やああぁっ!!」

太い竹谷の塊がぐにっと兵助の秘部に押し込まれる。
きつく締め付けてくる内壁に構わず、竹谷は衝動のまま性器をすべて兵助のなかに突き挿れた。

「やあッッ、痛い…っ、抜いてよぉ…っっ、ああっ!!」
「すぐに気持ち良くなるんだから我慢してろ」

竹谷は床に兵助の上体を押し倒して、上から獣の交尾のように覆いかぶさる。
深く繋がった腰を動かし、兵助の狭い孔内をぐちゅぐちゅと思うがままにまさぐった。

「いやっ、ああッ、あっあ…っ、だめぇっっ…ひゃぁあッ!!」
「っ…兵助、兵助ッ…」

ガツガツと竹谷が思いの丈をぶつけるように、兵助の豆腐のように白い身体を蹂躙する。
人だかりの端で二人を傍観していた三郎と雷蔵は、他人事のように漏らした。

「竹谷のやつ完全に切れてるな」
「周り見えなくなってるね。兵助も可哀想に…」
「大方また豆腐豆腐うるさく言ってたんだろ。自業自得だよ」

あいつの豆腐狂にはこっちも迷惑してるんだ、と三郎が非情に言う。

「さてと…」
「三郎どこ行くの?」
「すぐ戻ってくる」






雷蔵に言ったとおりすぐに戻ってきた三郎は、手に豆腐を持っていた。
そのまま竹谷に揺さ振られている兵助に近づくと、兵助の顔の横に膝をついた。

「兵助、いい様だな」
「ああっん、あッあ…っ、さぶろ…ッ、はっちゃ…ッ止め…てっ…ッ!!」
「兵助、これやるから私にもやらせてくれよ」
「ふぇっ…っ、んぐッッ!!」

持ってきた豆腐を三郎はぐちゃりと兵助の顔面に押し付ける。
縋った三郎にまで無体をされて、兵助は何故ここまでされなければいけないか分からず、呆けて唇を震わせた。

「竹谷、ちょっと腰ずらせよ」
「あー?」
「私も兵助の豆腐好きには鬱憤が溜まっているんだ。一緒に発散させろよ」
「ちっ…しょうがねぇな」

竹谷は兵助を抱え上げるとひょいと体制を入れ替える。
ぐりっと内部が竹谷の性器に抉られて、兵助はまた嬌声をあげた。

「あぁッッ!やっ…な…なにするの…?」
「三郎も挿れたいんだってよ」
「や…やだよッ、むり…ッ、入らない…っっ」
「足腰立たなくなったら、私が代わりに授業でてやるよ」

兵助の下に身体を入れた竹谷が、三郎が入りやすいようにぐいっと兵助の双丘を開く。
いつも以上に興奮して大きくなっている竹谷のものだけでもぎちぎちなのに、ここに三郎のものまで受け入れたら壊れてしまう。
兵助は豆腐や精液でぐちゃぐちゃになっている身体を必死で捩らした。

「ひっく…やだっ…、やだよぉ…ッ」
「ほら兵助、お前の好きなお豆腐やるから泣きやめよ」
「ぅぐッ…!!」

こんな状況にも関わらず、竹谷が床にバラまかれた豆腐を兵助の口の中に押し込んでくる。
馬鹿にされて兵助はキッと竹谷を睨み返した。

「おーまだそんな顔できたのか」
「挿れちまえばまたすぐ泣き喚くだろ」
「ひッ…!!」

竹谷との結合部に、もう一つの熱の塊があてられる。兵助は挿れられるであろう質量を想像して、ぞっとした。
それはすぐに現実のものとなって兵助を襲った。

「いッ…、あああぁッ!!痛いッ、きついよぉっっ、やぁあっ、ああッ…!!」
「っ…きつッ、さすがに二人分は厳しいな」
「ッ…三郎動けるか?」
「ああ…っ」
「ひゃああッ、やだぁっ、こわれちゃうよぉっ…、ああっあッ!!」




「なぁ不破、五年生はTPOって言葉を知らないのか?」
「…ごもっともです…」








後日―、


「兵助、豆腐屋行かねぇの?」
「……いい」

再び街に遊びにきていた竹谷と兵助だったが、豆腐屋を前に、兵助はすっと店先を素通りした。
しゅんと下を向いて、とぼとぼと歩く兵助に、竹谷の良心が痛む。

「……」
「兵助…その…、豆腐屋行ってもいいんだぜ」
「え…」
「こないだはつい頭に血が上ってかっとなっちまったけど、おれ兵助が楽しそうにしてる顔見るの大好きだしさ」
「はっちゃん…」
「無理やり悪かったよ。おれ兵助のこと、全部ひっくるめて好きなのにさ。豆腐に嫉妬したっていうか…情けねぇよな、ほんと格好わりぃよ。兵助ごめんな」
「…お豆腐…好きでもいいの?」

おずおずと兵助が竹谷に尋ねる。
あの出来事があって以来、さすがに自分の身勝手さに気づいた兵助は豆腐を自重していた。

「おぅ!今日はおれも一緒に食べるよ」
「嬉しいっ」

(っ…くそッ、兵助可愛いな)

悔しいが、豆腐が絡んだときの兵助はいつも以上に可愛い。
この兵助を見るために、またしばらく豆腐三昧の日々かと竹谷は覚悟を決めた。





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