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一線を越えられない兵助 清純編(竹くく)



「兵助、口吸いしていいか?」
「ぅん…、っ…たけや…ッ、ぁっ…ふぁ…っ」

兵助の耳の裏に掌を入れ、返事を待たずに顔を近付ける。
唇を重ねると、兵助がぎこちないながらも舌を絡めて応えてきた。
そんな些細なことだが、少しでも進歩してるようで、竹谷は嬉しくなった。

「んんっ…ん…ッ…」

うっすらと竹谷が目を開けると、目をつむって竹谷の舌の動きに翻弄されている兵助が目にはいる。
いっぱいいっぱいのようで、頬をうっすらと染めている兵助に、竹谷は下肢が疼くのを感じた。

(あー兵助に触りたい…)

兵助と口を重ねながら、漠然と竹谷は思う。
付き合って二ヶ月目。
まだ兵助とは口吸いしかしていない。
時間はたくさんあるし、急ぐことでもないのだが、健全な男子たるもの、そろそろ先にも進みたい。

(そうでなくても兵助色っぽいし)

付き合い始めてから、愛しさが増したせいもあるが、いっそう兵助に対して欲求を感じるようになった。
兵助は頭は良いがそういうことに関しては疎いようで、なかなか次のステップへ踏み出せない。

(でももう限界だ)

少しくらいならいいかなと、竹谷は兵助の下肢に右手を伸ばした。

「ん…ッ!?!」

ぐりっと竹谷に性器を触られて、兵助はびっくりして目を見開く。
間入れずに、体を寄せ合っていた竹谷を突き飛ばした。

「い…ッ、なっ、たけッ、どこ触ってんだよ!!」
「どこって兵助のちん…ぶッ!!」
「竹谷の変態っ!!」

「いてぇ…なんだよちょっと触っただけなのに変態呼ばわりかよ」

グーで竹谷を殴り、そのまま部屋を出て行った兵助に、竹谷は口を尖らせて腫れた頬をさすった。






「ほんっと信じられない!!」
「どうしたの兵助?」
「もう竹谷には付き合いきれない!」
「竹谷なんかしたの?」
「竹谷のやつッ、その…」
「その?」
「…し…た…触ってきて…っ」

(ああ…)

恥ずかしそうに口籠もりながら言う兵助に、勘右衛門はなんだそんなことかと言いそうになってしまい口を閉じた。

(竹谷も可哀想に…)












「兵助に触りたい…」
「なんだお前まだ接吻しかしてないのか」
「うッ…」
三郎が馬鹿にするように言ってきて、竹谷の胸にぐさりと突き刺さる。
「だって兵助防御固いし…」
「まぁ兵助相手じゃなー」
「どうしたら触らしてくれんだろ。別に触れられるのが嫌いってわけじゃなさそうだけど」
何度となく良い雰囲気にはなったことはあった。
キスして抱き締めるまではOK。それでもその先、兵助は身を許そうとしてくれない。
少しでも触れようとすると、昨日のように拒絶されるのがおちだった。
「なにか勝負持ちかけてみたらどうだ?負けたらやらせろって」
「勝負か~なるほどな」
確かに兵助の性格上、負けたらきちんと言うことを聞きそうである。
「ただ…」
問題は何で勝負するか。
学力は到底及ばないし、組み手だって兵助の方が上である。
文武両道の学年一優等生は伊達じゃない。
「勝てる気がしねぇ…」
「そんなもん竹谷の得意分野でやればいいんだよ」
「…ない…」
「お前本当とり頭だな。腕相撲とかでいいんだよ」
「確かに力勝負だったら負けねぇけど…そんな勝負兵助がのってくるわけないだろ」
「そこは上手く引っ掛けろよ。兵助負けず嫌いだろ」







「…勝っちまった」
「で、おれは何すればいいんだよ」
結局色々悩んだ末、運任せのジャンケン勝負にした。

“負けた方が一つ言うことを聞く”

ごくりと竹谷は唾を飲み込んだ。
「兵助は何もしなくていい」
「は?」
「ただじっとしてろ」
正座している兵助の後ろにまわり、竹谷は手を兵助の中心に伸ばした。
「ひ…っ!」
竹谷の掌が性器を撫でてきて、兵助はかっと顔が赤くなる。
思いもよらない行動をされて、兵助は声を荒げて後ろの竹谷を怒鳴りつけた。
「なにすんだよッ!!」
「兵助は動くなよ。じっとしてろって言っただろ」
「竹谷っ、これが目的で…ッ」
「負けたんだからちゃんと言うこと聞けよな」
「ふざけんなこの外道!すけべッ!下衆!!」

(なんとでも言え。兵助に触るためだったら手段は選ばねぇよ)

「兵助は約束破るのか?」
「うっ…だ、だって竹谷が…」
「勝負は勝負だろ」
「だからって、こん…な…」
「兵助は約束一つも守れないやつだったのか」
「…ッ…ちょっとだけだからな!」
「はいはい」

(こういうとこは潔いよな)




「んっ…んん…ッ」
装束の上から竹谷は兵助の中心に触れる。
ゆっくりと掌を動かして兵助自身をさすると、ぴくんと僅かに兵助が身じろぎした。
「っん…ッ、そんな…っ、自分にもついてるもん触ってなにがいいんだよ…ッ」
「兵助のだからに決まってんだろ」
なんで分かんねぇかなとぼやきながら、竹谷は兵助の性器をなぞる。
「ぁっ…ん…ッ、ゃあっ…」

(やべぇ…)

兵助が漏らした甘い声に、竹谷の身体の中からぞくぞくと何かが湧きおこる。
たまらなく興奮してきて、今度は掌で兵助の性器を揉み込んだ。
「あぁッ…あっ、あっ…たけ…や…ッ」
自然と引けていく兵助の腰を片腕で軽々と引き寄せて、竹谷は少し固さをもち始めた兵助の自身を愛撫する。
「はぁっ…あぅ…ッ、ふぁっ…ぁっ…」
もっと兵助を感じたくて、竹谷は兵助の袴のなかにごそごそと手を入れた。
竹谷の行動に、兵助は身を捩らして逃れようと暴れる。
「やだッ!!やめろよ、そこまでやっていいなんて言ってな…ひゃあっ!」
初めて直に触った兵助の性器に竹谷は胸がトクトクと昂ぶってくる。
「や…ったけや…ッ、ぁあっ、あっぁ…ッ、やだ…って言っ…て…ッ」
「兵助まだ剥けてないんだ」
「うっ…や…だ…ッ…」
気にしてたことを竹谷に指摘されて、兵助は弱々しく声を震わせる。
「すぐに剥けるから気にすんなよ」
「ッ…ばかにして…ッ」
「してないって」
むしろ可愛い、そう言って竹谷は兵助に口を重ねる。
「んっ、んぅッ…、ッ…やだ!!」
兵助の性器が見たくて、竹谷は口付けながら、兵助の装束を強引に引っ張る。
「ぃや…だッ、あっあ…ッ、見な…いで…っっ」
ちょこんと頭を出した性器に、兵助は恥ずかしくて顔を伏せた。
「なぁ兵助、自分でいじったりしねぇの?」
「ぁっ、あっ…しな…いッ…」
「全然使ってなさそうだもんなー」
綺麗な色のままの兵助自身を弄びながら、そういえば毎日兵助の部屋に行くけど、一人でやってるところ見たことねぇな、と竹谷は思い返す。
同じく何かと訪ねることの多い三郎のところでは、見たくもないのに三郎の自慰中を何度か目にしたことがある。
三郎だけでなくても、偶然知らない生徒の濡れ場を見てしまうことも、この狭い学園生活のなかではあるわけだが、兵助だけは未だかつて目にしたことがなかった。
「まぁ、そんな兵助が好きだけど」
「な…に…っ、ぁあっ、あっ…ぁッ…」
真っ白で純粋な兵助を、自分色に染めていく楽しみといったらこの上ない。

「兵助、体制辛いだろ。足くずせよ」
「ぅ…ん…っ」
竹谷にまだ未完熟の自身を見られて観念したのか、兵助は素直に足を崩す。
竹谷は兵助を覆ってる皮を下げると、現れた薄桃色の肉茎を優しく擦り上げた。
「ひぁっ、あっ…あッ…、あぅっ…ッ」
「ッ…はぁ…っ兵助…ッ」
兵助の艶やかしい喘ぎ声に、竹谷は兵助の肩に額を押しつけて、大きく深呼吸をつく。
先ほどから下肢に直結する声を聞かされて、自身は痛いほど張りつめていた。
しかし今日は兵助を存分に弄れるまたとないチャンス、自身を扱いている余地などない。
今日は触るだけと思っていたが、竹谷は色々こらえきれず、兵助を腿の上に抱えた。
「っ…兵助、ちょっとだけだから」
「な、なに…」
竹谷は窮屈な下帯から自身を取り出し、兵助のものと一緒に握りこむ。
「ひゃあッ!?え、あ…っ、やぁっっ…!」
ぴたりと自身に竹谷の性器が付けられて、兵助はびっくりして声を張りあげた。
ドクドクと脈をうつ竹谷の体温が伝わってくる。
自分よりも大きくて熱い竹谷のもの。
兵助は恥ずかしくなって、耳まで真っ赤に染めた。
「たけや…ッ、あっぁ…っ、熱…ぃっ…」
「兵助のこと好きなんだから当然だろ」
「ひゃぁっ、あっ…あぁッ…っ」
竹谷も兵助と密着して顔を赤らめながら、自分のものと一緒に扱きあげる。
どちらともなく先走りが滲みでて、ぬるぬるとした感覚が、また二人を掻き立てた。
「ぁあっ…ぁんッ、んんっ…たけやぁ…ッ」
「っへいすけ…ッ」
くちゅくちゅと音だけで酔ってしまいそうな卑猥な音が部屋に響く。
兵助に熱い飛沫をかけられて、竹谷も絶頂を迎えるのにそう時間はかからなかった。










(この先は…何ヵ月後になるんだろう)

人とは欲深いもので、触れればいいと思っていたのに、今度は身を繋げたくなってしまった。


(うっ…かわいい…)

自分に身を預けて息を落ち着かせる兵助に、今度はどんな手段を使おうかと、竹谷は頭を捻らした。






今日は同室者が委員会で帰りが遅い。
共同生活は楽しくていいが、なかなか一人きりになることができないのが難である。
この間にさっさと抜いてしまおうと寝間着の裾をくつろげた。

「あっ…ッ、ぅ…んっ…、はぁっ…あっ…」

久しぶりの感覚に、ぞくりと快感が身体を駆け巡る。
数回軽く扱いただけですぐに自身は勃ち上がってきた。
片手で握っていたのを両手に変えて、掌全体で性器を擦り上げる。
そう、行為に没頭しかけた矢先だった。


「三郎いるかー?悪ぃ、課題写さしてくれ…って…」
「~ッ!!!」

「またか…お前たまりすぎなんじゃねぇの?」

これで三郎の自慰を見るのは何度目になるだろう。
呆れ半分の竹谷に対し、急に開いた扉に三郎は顔を赤くしてパクパクと口を動かす。
一瞬怯んだ三郎だったが、すぐに竹谷を睨み付けて怒鳴りつけた。

「…う…っさい!急に入ってくるなッ」
「おれ手伝ってやろうか」

その代わり課題見せろよな、と竹谷は三郎の下肢に顔を近付ける。

「い…いッ、しなくていいから…っひゃあ…ッ!!」

パクリと性器を咥えこまれて、三郎が腰を大きく揺らす。
ぴちゃぴちゃと湿った音をたてながら竹谷に舐め上げられて、三郎は甘ったるい声を零した。

「やぁっ、あっあ…ッ、たけ…やぁ…っっ」
「なんだ三郎可愛いとこあるじゃん」
「あぅっっ…ぃや…ッ、やめ…て…ッ」









「あー疲れたー。ったくあの会計委員長なんとかなんねぇの…って」



「「「……」」」






「あ…あれ、もしかして…雷蔵?」


「~ッ!!!」












竹谷フルボッコ後↓






「うっ…ひでぇ目あった…」
「自業自得だ」
「いてぇよ!でも三郎と雷蔵見分けるの自信あったのになぁー」





「諫めるときも、雷蔵の自慰の手順や喘ぎ声を真似てやるからな」

「実は前に竹谷が来たときも、何度か三郎のフリしちゃったんだよね」




「雷蔵ッ?!」
「三郎、そんなとこまで真似しないでよ!!」
「雷蔵こそ私のフリしたって酷くないか?!」
「僕が一人でやってたときこっそり見たことあるの?!」
「そりゃあもちろん…ごふッ!!」
「三郎きもい。見損なった」
「だって雷蔵のことならなんでも知りたいんだよ!分かってくれよ!」
「僕にプライバシーはないわけ?!もうしばらく三郎とは口聞かないッ」

(おれも兵助が一人でやってるとこ見てぇな)





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