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均衡(鉢くく)

鉢くく(竹くく・鉢雷前提)
※三郎視点




あいつを見たとき私と同じだと思った―。



均衡



「なぁ兵助ッ」
「なに?」
「街に新しい団子屋できたんだってよ!今度の休み一緒に行かないか?」
「別にいいけど…」
「へぇーそうなんだ。三郎、僕たちも行こうよ」
「ああ」

兵助は竹谷と付き合っていて、私は雷蔵と付き合っている。
一年の頃から同じクラスで仲が良くて、途中で兵助も加わって四人一緒にいることが当たり前となり、気がついたらそれぞれ恋人同士になっていた。
兵助には竹谷、竹谷には兵助が必要だし、反対に私には雷蔵でないと駄目、雷蔵自身も私が不可欠だろうと自負している。
片想いにも三角関係にもなることもなく、なんともうまくバランスが取れている。

そんな今日も食堂に集まってのんびり話をしていた。


「楽しみだなぁ。早いところ課題終わらせとこ」
「ああーッ!忘れてた!!あれいつまでだっけ!?」
「今度の休みの次の日までだよ」
「しまったー!まだまったく手つけてないんだった!」
「あれ結構量あったよね」
「っあーッ、終わるかなぁああ」

頭を抱えていた竹谷だったが、今からやるしかない、と意を決して拳を握りしめた。

「また明日な!お先!」
「僕もそろそろ部屋戻るね」

猛スピードで食堂から出て行った竹谷の後に雷蔵が続く。

「じゃぁ私も…」
「……三郎…」

雷蔵にならって部屋に戻ろうと立ち上がると、装束の裾をちょいと掴まれる。
振り返れば俯いた兵助がいた。


「なに?」
「………」
「…辛いの?」

こくんと小さく兵助が頷く。
はぁ、と兵助に聞こえないように溜息を吐いて、細い手首を掴んで雷蔵とは反対の方面へ向かった。






空いている部屋に兵助を放りこむ。
そのまま畳に押し倒し、乱暴に服を剥いだ。

「んぅッ、ッ…ん…!」

右手で乳首をきつく抓りながら、噛みつくように口付けする。

「ッう!!いッ、んんっ…ふぇっ…」

左手は兵助の中心をぎゅっと握り、まだ柔らかいそこを揉みしだく。
荒い手つきは兵助の目じりに生理的な涙を浮かばせた。

「っ…はぁっ…、痛っ、やっ…あぁッ、あぅっ…」

先端の割れ目のところを爪でぐりぐりしてやると、乾いてるせいか痛みを伴う刺激に兵助は首を左右に振って悶えた。
そんな兵助に構うことなく、乳首を弄っていた手を口に変え、前歯で扱いてやる。
噛み潰すように愛撫すると、ぷっくらと赤く突起が膨らんだ。

「相変わらず感度良いな」
「あっあッ…やっ、待…っ、ひ…ああッ!」

この先の刺激を期待して少し湿りを含んだ秘部へ指を這わす。
ゆっくり解すのが面倒で、一気に三本突き刺した。
いきなり襲いくる圧迫感に兵助が苦しそうに顔を歪める。


一見強姦まがいな行為、
しかしこれは兵助が望んだことでもあるのだ。







兵助と私は忌まわしい記憶に苛まれている。

暗い、奥底に秘めた陰の部分にあるもの。



二年に上がった夏、上級生に呼び出されて複数でまわされた。
多勢に無勢、明らかに違う体格、圧倒的な力の差の前に、いいように嬲られるしかない。
口には絶え間なく欲の塊を咥えさせられ、下からも汚らわしい精を大量に注がれた。


兵助も同じだった。

久々知兵助といえば、クラスは違えども噂は舞い込んできた。
容姿・頭脳・運動神経、どれをとっても申し分のない彼。
しかし廊下ですれ違った時、何を不満に思うことがあるのかどこかひどく寂しく苦しそうな顔をしていた。

目でよく追っていただからだろうか。

同じ委員会の上級生に犯されているところを偶然見てしまった。
背後から覆いかぶさるように兵助の小さい身体を押さえ込み、男は好き勝手に注挿を繰り返す。
散々泣き叫んだのだろう兵助の声は掠れていていっそう悲愴感を漂わせた。





恋人に言えるわけもなく、辛い思い出だけが強く圧し掛かっていく。
吐きだしどころのない闇を、忌まわしい記憶を上からかき消すように、何も訳も分からなくなるくらい無茶苦茶に身体を重ねて欲だけに溺れ合った。



「ひぅっ…!!やぁっ…たけ…やッ、あっ…あぁ…っ」

熱い肉棒で突かれて、兵助が細い首筋を仰け反らせながら嬌声を上げる。
激しく揺さぶってやるとびくびくと気持ちよさそうに反応を返した。

「ああッ…んんっ、竹谷っ、たけ…ッ、たけ…やっ…!」

うわ言のように兵助が一心に竹谷の名前を呼ぶ。
自分も感化されて愛しい人の姿が浮かんできた。
胸の苦しさを吐き散らすようにいっそう深く兵助を突きあげた。






決して恋人達を裏切っているわけではない。



傷のなめ合いでしかないかもしれないけれど。


バランスを保つためには必要なことなんだ―。




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