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色の忍務への葛藤(竹くく)


広い寝室。
一つだけ灯された光に照らされて、細い影が艶めかしく揺れ動く。

「あぁッ、はぁっ…ぁんっ、んッ…」

知りもしない男に揺さ振られながら、兵助は甘い声を漏らして男が喜びそうな反応を返す。
熱い雄の塊が自分のなかで出し入れされる。その感触を深く感じないように、兵助は別のことに思案を張り巡らせた。

「…ッぅ…」
「やぁあッ!あっ…はぁっぁっ…!」

男が低く呻いて、穢らわしい種子を兵助の中に吐き出す。
精射から逃れることができなくて、兵助は男の欲望を体内いっぱいに受け止めた。
どくどくと注がれる液体に、身体が反射的にぶるりと身震いする。

「はぁっ、ぁあっ…はぁっ…」

男の塊がなかで萎んでいくのが分かる。
男は満たされたようで、目の前の美少年の喉元へ唇を寄せた。

「んっ…んぅ…っ、はぁ…っ…」

結合後の抱擁を受けとめながら、兵助は冷めきった内心で一息を吐いた。

(やっと終わった…)











「兵助」

忍務から兵助が戻ると部屋の前に竹谷がいた。
何も言わずに抱き締められる。
恋人が他の男へ抱かれに行くのを黙って見送るしかない。
竹谷の腕の力の強さに、兵助は自分よりも竹谷が傷ついているのだと感じた。


兵助を抱き締めたときに、ふわりと通った知らない男の残り香。
竹谷は自分が何をしているか判別するよりも先に、手が動いていた。

「痛っ…竹谷ッ?!」

兵助を押し倒し、乱暴に着物を剥ぐ。
疲れているだろう兵助の身体に手を、唇を、這わせた。

「やぁっ、あっ…、あぁっ…たけ…や…ッ」

兵助の滑らかな身体を貪りながら、竹谷は兵助の秘孔へ指を差し込む。
そこはまったく使っていないと惑うほど綺麗な蜜壺なのに、中はすでに柔らかくほぐれていた。
そのことが無性に腹が立ち、竹谷はぐりっと兵助の内壁に爪をたてる。

「ひゃぁっ!!あぁ…ッ、あっ、やだぁっ!!たけやぁッ…!」

ぐりぐりと兵助の柔らかい粘膜を引っ掻くと、兵助が髪を振り乱してやめてと訴える。
兵助の嫌がる姿に、竹谷は少し心が落ち着くのを感じた。

「あぅっ…はぁっ…ぁッ、あっ…ッ」

ずっとずっと愛しくてたまらなかった。
自分の愛撫に感じる兵助の姿。
今じゃ見ているだけで沸々と竹谷を苛立たせた。

「…の顔で…」
「…?」
「この顔と声で別の男たらしこんで来たのかよ」

竹谷にしては滅多に聞くことのない低く冷めた声。

「くそっ…兵助はおれのもんなのに…ッ」
「やああッ、あぁっあ…っ、待っ…ッ…」

やりどころのない想いをぶつけるように、竹谷は兵助に激しく腰を突き動かす。

「兵助、兵助ッ!」
「ひぅっ、ああっぁ…ッ、たけ…や…っ…ゃあぁッ!」

疲れた身体では竹谷に応えることもできず、兵助はだらりと弛緩した身体で竹谷の欲求を受けとめる。
力の入っていない兵助を竹谷はやっかみが残るまま突き上げた。



「ちが…う…ッ、こんなことしたいわけじゃ…」
「……」
「わ、わりぃ…兵助ッ、おれっ、本当に…ッ、なに…して…」

兵助を貪ったあとの残骸に、竹谷が我にかえって茫然とする。
兵助が忍務から帰った後はいつもこうだった。

「辛いのはっ…兵助なのに…ッ」
「…いいんだ…」

竹谷が自分よりも苦しんでいることは分かっている。






(だから…三禁なんだ)



その禁じを破ってしまったおれたちは、それ相応の咎めを受ける。
この重くのしかかってくる痛みも、至極当然の報いなのかもしれない。




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