×くく、竹くく
「はちっ…やだって」
耳の付け根からはじまり、耳の中、首筋、鎖骨…と余すところなく舐められる。
いまは執拗に乳首を攻められている。
薄いピンク色の突起は赤く熟れて、唾液でいやらしく光っていた。
「あっ、はぁっ、…も、しつこいッ…っ」
獣的なまでに先ほどからぺちゃぺちゃと舐めてくる竹谷にじれったく感じる。
生ぬるい刺激で焦らされて腰がもぞもぞと動いた。
「んっ、兵助の乳首ってなんか甘いな」
「や…ぁっ、そんなこと…な…ッあぅっ」
軽く前歯で噛みつかれて身体に淡い痺れが走る。
半勃ちの自身がまた少し起立した。
「へぇ兵助の乳首って甘いのか」
途端に降ってきた声に竹谷と兵助が固まる。
天井裏から、長い髪を垂れ下げて勘右衛門が顔を出した。
「…なんでお前がいるんだよ!!」
内心かなり驚きながら、このタイミングで出てきたことに苛立ちを抑えきれない。
兵助はただ呆然と目を見開いて勘右衛門を見上げた。
「だってここおれの部屋でもあるじゃん」
ぱっと身を翻して竹谷の横に降り立つ。
何を思ったか、ふいに兵助の乳首をぺろりと舐めた。
「ひゃっあっ…」
「うーん…なんか竹谷の唾液の味って感じ」
「なっ…」
あまりの突然のことに言葉につまる。
唖然としている竹谷を余所に、べっとりしてて気持ち悪いとを眉を顰めながら口を袖元で拭った。
「ごめんおれに気にしなくていいから続けて」
「…そう言われても…」
「なぁ…」
全く部屋を去る様子がない勘右衛門に、困ったようにお互いの顔を見合わせる。
今日はもう戻るよ、と気まずそうに竹谷が部屋を後にした。
「なんか兵助ごめんね」
「いや、こっちこそ勘右衛門いるのにごめん…」
流石に恋人達の逢引を邪魔してしまったことに気づき謝ってくる。
兵助は恥ずかしそうに俯きながら乱れた寝間着を正していった。
「こっちは甘いのかなぁー」
「え…?」
依然として顔が赤いままの兵助を見ながらぽつりと呟くと、身体を再び布団へ沈める。
裾を捲ると、あろうことか性器を口に含んだ。
「やあっ!あっあ…勘っ…え…もんッ?!」
中途半端に焦らされた身体は簡単に火がついた。
「やだっ…離し…て…ッ」
「あれ?苦いのでてきたけど」
「うっ…や…」
指摘されて羞恥で瞳が潤む。
咥え込んだ口を離すと、ツゥーと先走りが糸を引いた。
糸が垂れるのも構わず、そのまま口を下ろしていく。
小ぶりの双丘を両手で広げて、奥のきゅっと閉じられた蕾をひと舐めした。
「ひッ!!やだっ…そんなとこっ…!!」
竹谷にも滅多に曝したことのないところを暴かれて思わず息を飲んだ。
勘右衛門は広げている手の力を更に強めると、顔をくっつけて舌を這わせた。
「…んっ…っ…」
「ふっ…やぁ…っ…やだ、やだぁ…っ」
泣き混じりにうったえてくる兵助をよそに、小さな秘孔を舐めまわす。
舌先を窄めて孔内に入れようとしたとき、勢いよく戸が開けられた。
「まてまてまてー!!!おまえ人の恋人になにしてんだよ!!」
心配になって戻ってきてみれば!と竹谷が怒鳴り込んで来る。
あらぬ体位の二人に愕然と倒れ込みそうになったが、本能が先に働き、兵助を抱き寄せて勘右衛門から引き剥がした。
腕の中の兵助は色っぽい情欲の表情を浮かべていて、自分以外の男にもそのような顔を見せたことに怒りが込み上げてきた。
「なんで兵助も抵抗しねぇんだよ!」
「な、なんかペース狂わされて…」
「狂わされて、って別におれじゃなくてもいいのかよ!!」
「竹谷そんなに怒鳴るなよ。兵助びくついてるじゃん」
「お前は黙ってろ!!あーもう今日は心配だからここで寝るからな!」
「えー狭いよー」
小言を零しつつも仕方なしに兵助の布団と自分の布団をくっつける。
しかし当たり前のように真ん中に横たわった勘右衛門に驚愕した。
「…なんでお前がそこで寝るんだよ?!」
「だっていつも兵助抱き枕代わりにしてるから、隣りじゃないと落ち着かないもん」
「はぁ?!!」
「いつもやたらくっついてくるとは思ってたんけどそうだったんだ」
「えへへー。兵助ちょうどいい大きさなんだもん」
「あまり体格変わらないじゃん」
俺もできることなら毎日兵助を抱きしめて眠りてぇよ!!
勘右衛門の胸倉をつかんで喚きちらしたが、
兵助にうるさい、と一蹴されて大人しく布団におさまった。
結局兵助を真ん中に仲良く川の字で就寝した。「…ん…っ?」
ごそごそと身体を這いまわる感触にうっすらと目が覚める。
「ッ…はちっ…なにしてんだよ!」
隣りで寝ている勘右衛門を起こさないように小声で怒鳴る。
「気安く勘右衛門に触らせてんじゃねぇよ」
細い腰を掴み自分の方へ引き寄せる。
手を下肢に滑らして柔らかい陰嚢を揉みしだいた。
「やっ…離せ…って…ッ」
「ここも勘右衛門に触らせたのかよ」
「あっ…や…ッ、…はぁ…っ」
「お前のちんこと穴は俺のもんだか…ぐッッ!!!」
「ふざけんな、気色悪い」
容赦なく鳩尾を肘で抉れられて、激痛に呻いた。
兵助は布団を剥ぎ取ると、守り固めるように身体に巻きつけて勘右衛門の方へ寄り添った。
「へ、兵助…」
腹を抱えて痛みをこらえながら手を伸ばすものの、振り返ってくれることはなかった。
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