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五年生の下半身事情(鉢雷鉢・竹くく)

※6/12五忍囃子 無配本
※途中から鉢屋編・久々知編に分岐します。
※鉢屋は仮性、兵助は真性包茎で、どちらも小さい設定です。




五年生の下半身事情



念願叶って雷蔵と恋人関係になり、有り難くも身体を重ねるようになった。
幸せに満ちていた三郎のはずだが、どうしても解消されない悩みがあった。



「はぁ…」

夕食も済み、三郎は一人湯船に浸かりながら、溜め息をこぼす。
湯気が立ち込める浴室に、三郎の深い吐息は消えていった。

付き合ったからには恋人に尽くし、その人のためなら何でもしてやりたい。
最大限に楽しませて喜ばせて、笑った顔が見たい。
それがずっと恋焦がれていた雷蔵なら尚のこと。
しかし日常生活ならともかく、夜の生活になると三郎の思い通りにはいかなかった。

もともと何事も習得が早く、容量の良い三郎にとって、セックスにおけるテクの上達はお手のものだった。
房中術の授業もい組を差し置いてトップの成績をとり、それはいま雷蔵に対しても存分に発揮されている。
雷蔵も自分の愛撫に対して、とても感じてくれている。
だが、挿入時における問題はどうにもならなかった。
いくら雷蔵を前戯で気持ち良くさせようとも、いざ身を繋げるとき雷蔵のなかを目一杯自分で満たせない、自身の性器の大きさに三郎はコンプレックスを抱いていた。
雷蔵は「充分気持ち良いよ」と言ってくれたけども、どうせならもっと大きい方が気持ち良いに決まっている。
雷蔵を満足させれてない気がして、三郎は頭を抱えていた。





「どうしたんだよ三郎。珍しく憂鬱そうじゃん」

ガラッと檜の扉を開けて、同じクラスの竹谷八左ヱ門が浴室に入ってくる。
湯船につかって深妙な表情を浮かべる三郎に、明日雪でも降んなきゃいいけど、と竹谷は付け足した。

「まぁなー。それが…ッ!!」

竹谷の下肢を見て、三郎が言葉をつまらせる。
タオルを腰に巻いているのに、タオルの下からひょっこりと竹谷の自身の先端がはみ出ていた。

(そうだこいつ巨恨なんだった…ッ)

通常時でも太くて大きいものをぶら下げてる竹谷に、タオル巻いている意味ねぇじゃんよッ、と三郎が悔しくて拳を握りしめる。

「お前に私の気持ちが分かってたまるかッ」
「なんだよ人が親切に聞いてやってんのに」
「三郎なにか悩み事?僕で良かったら相談のるよ」
「雷蔵…っ」

(可愛いッ)

首を少し傾げて覗きこんできた雷蔵に、三郎はきゅんとなる。
一緒に入っていい?と言われて、三郎は喜んで隣を空けた。

(こんなに可愛いのになんで私より大きいのだろう…)

竹谷とまではいかないが、雷蔵のものも中々の逸物である。
そもそも完全に剥けていない自分と比べるのもおこがましいことではあるが。

(雷蔵のものが私より大きくて悩んでるなんて言えない…)

三郎はちらりと湯船のなかの雷蔵のものを見る。
タオルに隠されていてはっきりと大きさの判別はできなかったが、床のなかで見た、自分よりも一回り大きい雷蔵の性器が思い出されて、三郎はうっすらと目を細めた。


「あー疲れた~。やっとお風呂入れるよー」

次に扉を開けてやってきたのはい組の尾浜勘右衛門だった。
い組とは授業内容が異なることもあり、入浴の時間が被ることは珍しい。
うっすらと泥や木屑がついているところをみると、実習が終わって即効やって来たのだろう。

「おー、い組帰ってきたのか」
「うん。実習終わって汗だくだよ。まだ夕飯も食べてないけど、とりあえずひとっ風呂浴びようと思って」

汚れた頬を拭い、「ずっとお風呂入ること考えててさー」と勘右衛門がお湯を桶にたっぷりと汲む。
頭からバシャッとお湯を被り、気持ち良さそうに水分を振り払った。

(くそっ、勘右衛門も結構おっきいな)

湯船から勘右衛門をじっと眺めていた三郎は、勘右衛門についているものへ嫉妬心を露にする。
そもそも勘右衛門はブツ以前に気に喰わないことがあった。

「つーかお前ッ、腰にタオルくらい巻けよ!」
「えー別にいいじゃん。隠すほどのものでもないし」
「マナーだよマナー!」

苛々が重なっていた三郎は声をあげて、勘右衛門に注意する。
コンプレックスがないからって堂々としやがって…ッ、と三郎は悔しくて親指を噛んだ。


「なに騒いでるの」

(いた…!!私より小さいやつが!!)

長い黒髪を高い位置で束ね上げて、やってきたのは学年一と名高い優等生。
色白く細い兵助の身体つきに、三郎は心のなかでガッツポーズをした。





「五人一緒だとさすがに狭いな」
「だね。でも旅行みたいで楽しいよ」
「たまにはいいよねー」

のほほんと会話をしている雷蔵や勘右衛門をよそに、三郎はある使命に燃えていた。

(確認しなければ…)

タオルに包まれて秘められている兵助の性器の大きさは、未だ分からずにいた。
湯船に浸かった兵助に、三郎の目が光る。
お湯のなかで揺れる兵助の性器へ、三郎は下から手を差し挿れた。

「ひゃぁっ!!」
「兵助?」
「い、いま…ッ」
「いま?」
「ッ…竹谷だろ!場所をわきまえろよなッ!」
「えっ?なにがだよ?!」
「とぼけんな!変態っ」
「おれ兵助に何かしたか?!」


(よし、兵助は小さいな)

きゅっと片手で握り込んで収まるサイズに、三郎は内心ほっとする。
兵助が自分とあまり変わらないことが分かったが、もう一つ三郎には確かめなければいけないことがあった。
隣にいた竹谷に怒りをぶつける兵助に、今度は横から三郎は手を伸ばした。

「やあっ…ッ!!」

三郎は目にもとまらぬ神業で、素早く兵助の性器を指で撫であげる。
先端まですっぽりと被った皮と、引っ張っても下に落ちないことを確認した。

(なんだ兵助は真性か)

勝った、と三郎は満足して手を引っ込める。
自分も常時剥けてない状態ではあるが、剥こうと思えば自分ですぐに剥ける。
完全に皮がくっついている兵助よりはマシだと、小さすぎる争いではあるが嬉しくなった。


「あれ、三郎もう出るの」
「ああ。やっぱり五人は狭いしな」

目的を達し、三郎は一人先に湯船を出る。
後ろでとばっちりを受けた竹谷が兵助にきつく責められていたが、見ぬふりをして風呂場を後にした。

「ッ竹谷~、人が気にしてることを…ッ」
「なんだよ、意味わかんねぇよっ!」








◆鉢屋三郎の場合


「はぁ…」

兵助よりかは多少ましなことは分かったが、それは根本的な解決になっていない。
雷蔵よりも粗末なことには変わりはなく、三郎は今日何度目か分からない溜息をついた。

「どうしたの、三郎。さっきから元気ないよ」
「酷だなと思って」
「え?」

こればっかりは生まれもったものだからどうしようもない。
いくら自分が変装の名人で姿を誰にでも変えることができようとも、下肢までは変えることはできない。
大好きな雷蔵を気持ちよくさせてあげたいのに、叶わない願いに、三郎はがっくりと肩を落とした。

「そんなうじうじしてるの、三郎らしくないよ」
元気のない三郎に、雷蔵は少しでも気分をあげて欲しくて、横から三郎を抱き締める。
胸のなかに包み込んだ三郎に唇を落そうと、雷蔵は顔を寄せた。
「いや…だ…ッ」
思わずバシっと雷蔵を振り払ってしまい、三郎ははっとなる。
雷蔵はまさか三郎に拒絶をされるとは思ってもおらず、驚いて三郎を見た。
「三…郎?」
「っあ、ご、ごめん…っ」
せっかく雷蔵からきてくれているというのに、今日は乗り気になれなかった。
さらにしゅんとなった三郎に、雷蔵も顔を曇らせる。
「僕に触れられるの厭になったの…?」
「ち、違うっ、そうじゃなくて……」
「じゃなくて?」
「…雷蔵と触れ合って、えっちして、すごく幸せなことなのに…。でも…辛くもあるんだ」
「なんでよ、三郎。三郎に辛い想いなんてさせたくない。僕でできることならなんでもするよ」
「らいぞぉっ…」
「で、なにをそんなに悩んでるの?」
「その…っ…雷蔵のよりも小さいから…、私のもの…」
それに剥けてないし、と消えそうな声で三郎は付け足す。
「雷蔵を満足させてあげられない…ッ」
「なんだそんなこと気にしてたの」
「ッ…なんだじゃないだろ!雷蔵は大きいから私の気持ちなんて分からないさッ」
「もしかしてずっと様子がおかしかったのもそのせい?」
「雷蔵に挿れても私のじゃ気持ちよくできないかもって…っ、雷蔵のこと悦ばせたいのに…」
「三郎の気持ち良いよって前も言ったじゃない。三郎が入ってくるとね、幸せいっぱいな気持ちで満たされるんだ」
「らい…ぞう…っ」
「なんて恥ずかしいね」
ふふ、と照れ笑いする雷蔵に、三郎は胸が締めつけられる 。
自分には勿体ないほどの優しい恋人が愛しくて仕方がなかった。
「でも気にしてるならいい方法あるよ。僕もね、逆でもいいんじゃないかってちょっと思ってたんだ」


「んんっ、ぁっ…ら、らいぞッ…」
「なに?」
「なん…で、こんな体制に…っ」
「だってほぐさなきゃ挿らないでしょ」
三郎は四つん這いで双丘を突きだすかたちで、雷蔵に秘部を舐められていた。
顔から火が出そうなほど恥ずかしい格好に、三郎は腕のなかに朱を帯びた顔をうずめる。
「ひぅッ…あっ…ぁん…っ、んッ…」
雷蔵の舌がなかに入り込み、三郎の内壁を舐め上げる。
湿った唾液の感触が、体内に流れこんできて、三郎はぞくんと背筋を震わせた。
「い、い…っ、あぅッ…、しなくてっ、いいから…ッ」
「三郎だっていつもしてくれるじゃない」
雷蔵の可愛い顔が自分の双丘にぴたりとついて、秘部を舐められているのかと思うと、陶酔的な情景に眩暈がしてくる。
しかも自分が後ろを弄られることになろうとは露にも思ってもおらず、更に三郎をまいらせた。
それでも他ならぬ雷蔵にされているということが、三郎の身体をどんどん昂ぶらせ熱くさせていった。
「はぁっ…あっ…ぁあッ、あっ…」
「三郎のここひくついてる」
これだったらすんなり挿りそうだね、と雷蔵は満足そうに三郎の秘孔を指で突つく。
息づく後孔は、自然と雷蔵の指をなかに取り込んだ。
「んっ…んんッ…はぁっ…ぁっ…」
体内に異物を感じて、ぴくりと僅かに三郎の眉が顰められる。
ぐりっと雷蔵の指がなかで動かされて、そのまま注挿が早められた。
「ゃっ…ぁっあッ、らいっ…ぞぉ…ッ」
括約筋をほぐすように、雷蔵の指が三郎の秘部をぐちゅぐちゅと弄っていく。
擦られたところからジンジンと熱が疼いてきて、自分の声と思えないほど甘ったるい声を三郎は零した。
「ひゃんっ、あっあ…ッ、はぁっ…ぁ…ッ」
「三郎、前も熱くなってる」
嬉しそうに、雷蔵が三郎のものに触れる。
完全に屹立した三郎の自身は、包み込んでいたものの中から淡い性器が曝け出されていた。
「ひゃあっ…ッ、あっ、あぁッ、や…っっ」
「僕、三郎のこれ好きだよ。綺麗な色だし、それに…」
すごく感じやすいよね、と剥きだしになった三郎の性器を扱き上げる。
「ああぁッ、あっ、やぁっ…あッ…!」
剥けたばかりで余計に敏感になっているところへ刺激が加わり、三郎はびくびくと身体を跳ねさせる。
薄い皮膚が雷蔵の指の腹で擦られて、三郎は全神経を麻痺させる快感に凌駕された。
「ひぁっっ、ぁッ、あっ…やぁっ、らいぞぉっ…」
雷蔵はばっくりと開いた三郎の先端を、人差し指でくちゅくちゅと撫でまわす。
普段外気に触れることのない箇所は弱く、そこをいじられてはひとたまりもない。
三郎は身体を支えていた腕に力が入らず、ガクッと畳に肩を打ちつけた。
「あっ…はぁっ、やっ…あっあ…ッ」
半透明な液体が三郎の割れ目から糸をひき、雷蔵の手を汚していく。
柔らかかった亀頭もピンと張りつめて固さを持ち、赤く熟れていた。
「ゃああっ、あっ、あ…っ、らいっ…ぞぉッ…」
三郎の身体がぴくぴくと震え、細い喉を張り反らす。
それは三郎が達くときの予兆であり、雷蔵は三郎自身を弄っていた手を止めた。

「三郎、待って。今日は僕で達って欲しいな」

雷蔵は同じく昂ぶった自身を取り出すと、三郎の秘部にぴたりと押しあてる。
雷蔵の熱さを後孔に感じて、三郎が小さく声を上げた。
三郎挿れるよ、と雷蔵が言ったのと同時に、雷蔵の欲望が三郎のなかへと突き挿れられた。

「ああぁっ!!いッッ、ひっ…あぁっあッ!」

初めて感じる強い圧迫感に、三郎は掌を固く握りしめて、挿入の衝撃に耐える。
内臓を押し上げるように、腰に重く鈍く響いてくる感覚。
三郎は畳に頬をぴたりとつけて、苦しそうに震わせた喉から吐息をこぼした。
「そんなに握りしめたら血でちゃうよ、三郎」
三郎がきつく爪を食いこませていることに気づき、雷蔵が三郎の掌を開く。
赤くなった三郎の掌の上に、自分の掌をそっと重ねた。
「ひぅっ…あぁッ…あっ、らい…ぞぉ…っ」
雷蔵の優しい仕草に、三郎は生理的に潤んでいた瞳をゆっくりと開き雷蔵を見る。
自分と繋がって、同じく熱い吐息をついている雷蔵に、三郎は痛みも吹き飛ばす愛しい想いが溢れてきた。
「らいぞぉっ…らいぞ…ッ、らい…っ…」
「うん。いま三郎のなかに入ってるんだよ」
甘ったるい声で自分の名を何度も呼ぶ三郎に、雷蔵もうっとりと恍惚の表情を浮かべる。
「三郎、動くよ」
「ひゃぁあっ、あっ…ぁんッ、んんッ…!」
三郎の細い腰を掴み、ずちゅずちゅと雷蔵が腰を打ち付け始める。
奥まで性器を突き挿れて自身を貫いてくる雷蔵に、三郎はふるりと背中をしならせた。
「あっ…はぁっっ、あぁッ、あっ…らいっ…ぞぉッ…」
「ッ…あぅっ…、三郎、締めつけすぎだって」
体内にはっきりと雷蔵の分身が刻まれて、三郎はぎゅっと自然にそれを締めつける。
三郎が自身をきつく包み込んできて、思わず声を漏らした雷蔵は苦笑した。
「ひぁっ、あっ…あぅっ、あぁッ…あっ…!」
上から突き刺すように、激しく雷蔵の性器が三郎を攻めたてる。
雷蔵を全身めいっぱいに感じて、三郎はびくびくと身体を弛緩させた。
「はぁっぁっ、らいぞぉっ、もっ…ッ、いっちゃうっっ…」
「ん…っ、いいよ、僕ももう出そう…ッ」
雷蔵を見上げて口吸いを強請ってきた三郎に、雷蔵は口づけをひとつ落してやる。
抱え込んだ三郎の腰を強く引き寄せて、いっそう深く三郎の身体を貫いた。
びゅるぴゅるると最奥に注がれた熱い雷蔵の飛沫を感じ、三郎もまた溢れ出る想いの丈を吐き出した。






「三郎、僕いままでで一番気持ち良かったかも」
「はぁ…っ、は…ぁっ…らいぞぉっ…」

にこにこと満足そうな雷蔵に、三郎は腰の痛みが引けなかったが、雷蔵に悦んでもらえて良かったと嬉しくなる。
はぁはぁっ、とまだ落ち着かない息を吐きながら、三郎も雷蔵へ笑みを返した。


「今度からは僕が三郎に挿れるね」

雷蔵の口から恐ろしい言葉が聞こえた気がしたが、確認する気力もなく、三郎は夢のなかの世界へと落ちていった。



鉢屋編・了







「なぁ、なんで兵助不機嫌なんだよ」
「…知らない」

濡れ衣だと説得し続けて、なんとか分かってもらえたものの、風呂から出た兵助は不機嫌なままだった。
顔を合わそうとしない兵助に、竹谷もいつまでもそんな態度を取られていてはイラっとくる。
兵助の肩を掴んで、自分の方へくるりと強制的に向かせた。

「言わなきゃ分かんねぇだろ。なにか他にも気に入らないことあったんだったら謝るしさ」
「……別に竹谷が悪いんじゃない…」
「じゃあなんだよ」
「…でもおれだって好きで小さいんじゃないし…」
「はぁ?なんの話だよ」
「っ…これだよバカ左ヱ門ッ!」

完全に八つ当たりではあるが、兵助は手近にあった枕を竹谷の下肢に投げつける。
ボスッと枕が下肢に直撃して、竹谷は一瞬なんのことか分からず間抜けな声を出した。

「へ…?」
「…っ…」
「あ……もしかして兵助、ちんこ小さいこと気にしてんの?」
「ッ…みなまで言うなよ!!」

恥ずかしくなって、もう一個あった枕を今度は竹谷の顔に投げつける。
二投目は顔面にぶつかる前にばっちりキャッチした竹谷は、やれやれといった風に兵助に近寄った。

「別に大きさなんかどうでもいいじゃん」
「よくない…ッ」
「おれ兵助の好きだよ。可愛くて」
「っ馬鹿にして…!」
「してねぇって。大体兵助はモノの大きさでおれのこと好きになったわけ?」
「それは…違うけど…」
「な、そうだろ。別にちんこがどうであれ関係ないだろ」
「…でも…おれのは小さいだけじゃないし…」
小ぶりというだけでなく、包皮が癒着して亀頭がつるりと完全に出ない状態にあった。
せめて勃起時くらいは剥けて欲しいのに、どうにもならない自身に兵助はやきもきしていた。
「大丈夫だよ、ちゃんと兵助達けるじゃんか」
「でも…」
「こういうのはクセつけないといけねぇからさ。ちょっと兵助待ってろよ」


一旦兵助から離れて、竹谷が棚の引き出しをごそごそ漁る。
戻ってきた竹谷の手には香油が握られていた。

「兵助はさ、今まで自分で触ったり扱いたりしてなかったから剥けてないんだよ。毎日ならしていけば大丈夫だって」
おれやってやるよ、と親身的に竹谷が言う。
いくら恋人とはいえ、さすがに竹谷にしてもらうのは気恥ずかしい。
自分から言った手前もあったが、兵助は前を閉じて否定を示した。
「ほら、兵助見せてみろよ」
「い、いいよ…ッ」
「それじゃぁ今のままだぞ」
「ッ…でも恥ずかしいし…」
「今更だろ」
竹谷はたじる兵助の寝間着をめくりあげると、下帯をしゅるりと外す。
隠されてた兵助の幼い性器がつるんとお目見えになった。

(確かに兵助の小っちぇーし剥けてねぇけど、兵助の顔に合ってて好きなんだけどな。って言ったらまた兵助怒りそうだけど)

「…あまり見ないでよ」
「わりぃわりぃ」
目元を朱に染めて膨れぎみに顔をそらす兵助に、竹谷がつい、と謝る。
竹谷は持ってきた香油を手に絡めると、早速兵助の自身に絡めた。
「あっ…ッ…んっ…、んぅ…ッ」
ぬるっとした液体に包まれて、兵助がぴくんと身じろぎする。
竹谷の大きい掌は、兵助の性器に香油を塗りつけて滑りをよくすると、ゆっくりと扱き始めた。
「っ…あ…っ、はぁッ…んん…っ…」
いつもと違うぬるぬるとした液体は変な感じがするのに、ぞくぞくと疼きが湧き起ってくる。
竹谷は、兵助の皮を根元に引き寄せるようにして、擦りながら下ろしていく。
真剣な表情で棹を扱く竹谷に、一人感じ始めている兵助は気恥ずかしくなって、竹谷の胸に顔をうずめた。
「兵助、先っぽ出てきたから。こうやって根元に皮を手繰りよせたら、少しずつ剥いていって…」
「んッッ…痛いっ、竹谷いたいよっ…」
「ちょっとは我慢しろって」
ちりっとした痛みが先端に走り、兵助は顔を顰める。
先を覆っていたものはカリの部分にまで下がり、綺麗なピンク色した柔らかい亀頭が露出されていた。
そこは香油でテカテカと濡れていて、竹谷は可愛らしくいやらしいそれに、思わず喉を鳴らした。
「はぁっ…ぁっ、ひぅっ…痛ッ…っう…ッ」
包皮を引っ張り、ピンク色の部分を増やしていく。
少しずつ下げられていく度、引き剥がされる痛みが走り、兵助はびくびくっと身を跳ねさせる。
竹谷の寝間着をぎゅっと掴む手にも力が入り、いまだに緊張して萎縮したままの兵助を竹谷は宥めた。
「兵助、力入りすぎだって」
「だってっ…ッぅ、ぁっ…あっ…」
「痛いだけじゃないだろ」
「ひゃあっ!やッ…あぁっあっ…ッ」
剥け出しになった兵助の部分を親指と人差し指の輪のなかに挟み、竹谷はしゅっしゅっと擦り上げる。
まだ剥けていない下も、掌全体を使って同時に扱きあげた。
「あっあッ、ゃあっ…あぁっ…」
「兵助、気持ち良くなってきたか?」
「ふぁっ、あっ…ぁぅッ、たけやぁ…っ」
過敏になっているところを集中的に擦られて、兵助の中心に熱が集まってくる。
竹谷の暖かい掌の体温も伝わってきて、兵助はいつもの艶やかな嬌声を零した。
兵助にとっては無意識だろうが、恋人に甘ったるい声で名前を呼ばれ、縋ってこられれば、竹谷はひとたまりもない。
今すぐにでも兵助を押し倒して、兵助と身を繋げたい―。
その衝動に押されるかのように、余裕をもって兵助を解してやるつもりだった竹谷の掌はスピードを早めていた。
「やぁっ、あっあッ、出ちゃう…ッ、ぁあっ…!」
「出せよ、兵助」
「ひゃぁっ!たけっ…ああぁぁッ!」
華奢な肩をびくびくと震わせて、兵助は竹谷の胸のなかで絶頂を迎える。
竹谷は吐き出される兵助の精を掌で受けとめながら、愛しい人の達く姿をしっかりと目に焼き付けた。


「はぁっ、はっ、ぁ…っ…」
竹谷に寄りかかってあがった息を落ち着かせる。
兵助は蜜に濡れた自身へ再び目線をやった。
半分まで剥けていた皮は、萎んだことによりまた元に戻り、薄ピンク色した性器は姿を隠していた。
軽く引っ張っても先のように下りない包皮に、兵助は泣きたい気持ちになる。
「やっぱり駄目なんだ…」
「一回くらいですぐに変わるわけないだろ。こういうのはゆっくり回数重ねて剥いていかねぇと」
「ぅ…っ…」
竹谷がほだすように優しく髪を撫でてきて、こくりと兵助は頷く。
そんないたいけな兵助に、竹谷の寝間着のなかで誇張するものは、パンパンに膨れあがり窮屈さを訴えていた。

「兵助、おれもう…」
「え?」
「兵助のなかに入れていいか?」
「ッ竹谷、い―…」

寝間着の隙間から取り出した竹谷のものの大きさに、兵助は目を見張る。
どうやっても敵わないそれに、「嫌だ」と拒絶をしようとした兵助だったが、兵助の返事を待たずに、竹谷は腰を兵助に押し付けた。

「っあつ…」
「わりぃ、兵助」
「ひっ…あぁああッ!!」
莫大な質量が兵助のなかに押し挿れられる。
竹谷は兵助の腰を掴み、細く壊れそうな兵助の身体を支えた。
「いッ…はぁっあっ、待っ…て…ッ、あぅっっ…!」
通常時でも充分な大きさをもっているのに、熱をもつと脅威的である。
カリを埋めただけで、のしかかる圧迫感に、兵助は白い喉をのけ反らして、それに耐えた。
「む…りっ、たけ…や…ッ、はい…らな…っ…」
ふるふると小刻みに震えながら、兵助は竹谷に訴えかける。
ただでさえまったく慣らしもしていないのだ。
生理的に出てきた涙を滲ませ、兵助は竹谷に哀願した。
「ゆっくり挿れていくから。兵助、力抜いてろ」
兵助のなかをほぐしていくように腰を使いながら、竹谷が侵入を深める。
「ひぅッ…やぁっ、あっ…む、りだって、言って…ッ」
「兵助、ちゃんと挿っていってるから」
「ゃああッ、くる…っしいよぉ…ッ、あぁっ、はぁっ…あ…ッ」
竹谷は兵助の足を大きく開き、兵助のなかに自身がうまっていく様子をじっくりと見る。
竹谷の言葉どおり、兵助の狭い秘口は限界までに広げられ、竹谷の性器をズプズプと飲み込んでいった。
「いつも思うけど、よくこんな狭いなかに入るよな」
やっぱり素質かな、と竹谷は顔を緩める。
兵助のなかは暖かく、絶妙な具合で締め付けてくる。
長い黒髪を畳に散らして、色めかしく自分の下で喘ぐ恋人に、いつも竹谷は感情を乱されてばかりだった。
「やぁっあっ…たけやの…っ、おっきすぎ…ッ、はぁっ、あッ…」
秘腔を押し広げて、ぎっちぎちに体内にうまった竹谷自身に、兵助が苦しそうに声を漏らす。
「兵助はおれの好きだろ」
「っ過信すんな…っ、ひゃぁッ!あっ、やあっ…あっぁ…ッ」
自身の存在感を兵助に示す様に、竹谷が腰をぐりぐりと進めて兵助のなかをさらに自身でいっぱいにする。
最奥まで竹谷の性器にたたき突つかれて、兵助は脳髄まで甘い痺れが駆け巡った。
兵助は聴覚に訴えかける嬌声を惜しみなく零し、竹谷の律動に応える。
「あぁっ、あッ、たけ…やぁっ、っ…ひゃぁっ…ッ」
「おれ大きさとか気にしたことなかったけど、始めて良かったって思ったよ。大きくないと兵助満足させらんねぇもんな」
「んっ…んんッ…、はぁっあッ、あっ、あぁ…ッ…」
華奢な身体をぴくぴくと震わせて竹谷を感じる兵助を、竹谷は心底愛しそうに撫でる。
縋るように腕を差し伸べてきた兵助に口唇を落とし、注挿を深めてその愛しい身体を貪った。




「竹谷…腰痛い…」
「うっ…兵助ごめんな」
散々竹谷に貫かれ、ぐったりと兵助は横たわる。
だるそうな兵助を抱き締めて、乱れた兵助の髪を梳きながら、竹谷は謝罪を口にした。
兵助を前にすると、どうにも自身を抑えられない。
付き合いの年月を経てもこれは変わらなくて、兵助のことが本当に好きなんだな、と竹谷は照れ笑いした。
「大体おればっかいつも下だし…」
ぶつぶつと竹谷の腕のなかで、兵助は竹谷への文句を呟く。

(明らかに顔的にも体格的にも兵助が下だろ)

あんなに気持ち良さそうにしてたのに、なにが不服なんだとむしろ竹谷が問いたくなる。

「むっ…いまそれが当たり前だと思っただろ」
「お、思ってねぇよ」
「やっぱりおれが小さいし剥けてないからかな」
「だから、そんなん気にするとこじゃないって」
「でも竹谷、自分のものに自信持ってんじゃん」
「うっ…」
特にこだわっていないのは確かだが、同年代のなかで自分が大きいという自負もあるだけに、竹谷は返す言葉につまる。
黙った竹谷に、「なんだよ『兵助はおれの好きだよな』って、忌々しいッ」と、兵助はまた不機嫌に逆戻りした。

「…おれの剥けたら、竹谷のなかに挿れるからな」
「えっ……あー…うん…」
「いまの承諾覚えとけよ」
思わず頷いてしまった竹谷に兵助は嬉しそうにする。

(まぁ兵助は多分変わらないだろうしな)

真性が仮性になることはあっても、完全に剥けることはないだろう。
淡い期待を胸に抱く恋人に、一生兵助はこの可愛いままでいてくれよなと、竹谷は愛しそうに見つめた。



兵助編・了
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